いろいろあるぞ!中藤島お宝たんけんたい
中藤小学校
中藤島地区は,歴史を感じさせる文化財が散在する。また,昨今では,市内の商業施設や報道機関が集中する地区となってきている。そのような本地区に育つ子どもたちが,伝統的なよさと若々しさが混在する本地区の独自性に気づき,地域への愛着を感じてくれることを願いながら,歴史や文化,産業等のジャンルに分かれて地域探究学習を進めていきたいと考えた。
まずは町たんけん!―絵地図を持って出発―
社会科の学習を兼ねて,中藤島地区の町たんけんを行った。町探検は昨年度も生活科の中で行ってきているが,今回は,地図と実際を照合させ,土地活用の様子を調べること,それに,「福井学」として自分が調べたいことを探すことが目的である。
探検したことを伝え合う―学級内での共有化―
・自分が調べたいことを決める―家族を巻き込んでの一人調べ
・調べたことをまとめる 一人一新聞づくり
・調べたことを伝え合う
―ポスターセッションによる学年発表会―
子どもたちは,似たようなことを調べた者同士でグループを作り,ポスターセッションによる発表を行った。
九頭竜川について,詳しく調べる
―九頭竜川資料館見学―
今まで調べたことを地域へと発信する―公民館での発表―
いろいろな学びのために公民館へと集まってくる地域の方々に,「いろいろあるぞ!中藤島お宝たんけん隊」の発表を聞いていただいた。
聞いてくださった方々はみんな,うなずきながら,真剣に児童の発表に耳を傾けてくださり,その聞き方に感銘を受けたという感想を残す児童も多かった。ある方は,児童に昔の話を聞かせてくださった。このように,発表を通して,地域の方との交流も生まれた。
これらの活動で得られた成果は数多くあるが,ここでは,2項目に絞ってお伝えしたい。
1つめは,子どもたちの地域への愛着が増したということである。嬉しいことや自慢すべきことばかりでなく,悲しい思い出をも含めて,子どもたち一人一人の内面における,福井への,中藤島への具体的な愛着が生まれたこと,増したこと。これが,1つめの成果である。
2つめは,子どもたちが「自分の目で,手で,足で,学ぶことの楽しさ」を,体感できたことである。地味でささやかはあるが確実な学びを,子どもたち一人一人が体感できたことは,大きな成果であると思える。
私たちの展開した「子ども福井学」は,決して華やかなものでも見栄えのするものでもない。しかし,「市民一人ひとりが,"とっておき"の本市の事象について,自信を持って,自分の言葉で語ることができるようになる」という「福井学」推進事業の趣旨に,子どもたちなりに,かなり近いところまで到達したのではないかと自負している。